そうめんの太さ(細さ)について

2007.07.05 Thursday

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    連日の雨で、陽の光を浴びていないせいか

    なんとなく気だるさを感じますね。

    島原は、いい風が吹いてくれるので

    できるだけ窓を開け、風を入れて過ごしています。

    そうめん


    雲仙へのぼれば、数十メートル先も白くなるほどの霧。

    地元の方に言わせれば

    「どがんでんよーなる」
    (気分が晴れず、全てのことが、どうでもよくなってしまう)

    そうですが(苦笑)、

    霧にけぶる温泉街、おぼろげに浮かぶ山の木々は

    なかなか風情があります。


    深呼吸して目をこらし、耳をすませば。

    年に一度、霧にすっぽり包まれるこの時期に

    雲仙は、英気を養っているようにも思えます。




    先日、お客さまから「そうめんの太さ」について
    お問い合わせいただきました。

    ふたりのお客さまからのお問い合わせは

    「島原そうめんは太いと聞いたけど、伊崎さんのそうめんの太さはどのくらい?太めんが好みなんだけど。」

    「まえに食べた島原そうめんは細くておいしかったけど、実は太めが好き。伊崎さんのそうめんの太さをおしえて。」

    偶然にも、お二方とも、太めのそうめんが好き、とのことでした。


    数値をいえば、こちらの記事「そうめんの太さ」で書いたように
    JAS規格で直径1.3mm未満という数値が示されていますが、
    そうめんというものは、人の味覚というものは、
    そんな杓子定規なものではないと思います。


    お二人それぞれのお話しに耳をすませば、

    太めの素麺が好き、と仰る本当のところが、
    霧が晴れるように、わかってまいりました。


    つまり

    ・そうめんの一本一本がしっかりしていて、口当たりがいい。

    ・のどごしがいい。

    ・麺自体のうま味がある。


    「太めのそうめん」という言葉で表現されていたのは、
    実は、こんなそうめんのことでした。


    これがわかれば、
    わたしたちは、お役に立てます。


    仰るそうめんは、<こし>のあるそうめん、ということ。


    太いだけで、こしがないそうめんは、のどごしがありません。

    <こし>のあるそうめんは、しまっているため
    若干細めですが、一本一本がしっかりしていますし、
    のどごしもよく、麺自体のうま味と爽やかな後味があります。


    <こし>のあるそうめんづくりには、

     各工程でじっくり熟成させること。

     乾燥の際、無理をさせず、ゆっくり乾燥させること。

    これがたいせつです。


    じっくり、ゆっくり、英気を養ったそうめんは、

    どこか、雲仙・島原の自然に似たところがあるかも知れません。



    そうめんのことは、こちらでも詳しく書いています。

    → 島原手延べそうめん「島原そだち」


    〜(ひとくちメモ)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    少し細かい話しになりますが、麺の太さの目安として、「10gで何本」
    という言い方があります。当地では、例えば10gで100本ある麺を
    「100本線(ひゃっぽんせん)」と呼んだりします。

    しかしながら、素麺などの乾麺は、こしがあるほど、麺の密度が
    つまって麺がしまっているため、同じ細さでも、重くなります。
    つまり、重さごとの本数を基準にすると、こしのある麺ほど、実際より
    太いという評価になってしまう、ということですね。
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